
国語力について
ミライユは塾経験の豊富なスタッフで運営をしています。
長年の経験から、小学校後半から学力が伸び悩む原因は、ほとんど「国語力」にあると考えています。
「国語力」は算数、理科、英語、社会に非常に強い結びつきがあります。
そのことから、ミライユでは国語力の育成に力を入れています。

「国語力」と「算数」の深い関係
① 問題文を「正確に読む」力
算数は、ことばで出された条件を読み取って式に置き換える教科です。
「国語力」が弱い子は、「何を聞かれているのか」「どんな順番で考えればいいのか」 を取り違えやすいです。
例)「りんごが3こずつ入った袋が4つあります。ぜんぶで何こありますか?」
国語力がある子 → “1袋3個 × 4袋”という関係を文から抽出できる。
国語力が弱い子 → 数字の「3」と「4」だけ拾って足してしまう。
② 図形・数量を「言葉で整理する」力
図形や数量関係の理解も、頭の中で「言葉化」できる子ほど伸びます。「高さ」「底辺」「角度」などを言葉で説明できると、見えない関係が整理され、式を正しく作ることが出来ます。
③説明・記述問題への対応力
最近の算数では、「どのように考えましたか」「式の理由を書きましょう」といった言語表現問題が増えています。
国語力がある子は、「理由」「方法」「結果」を順序立てて説明できるので、「なんとなくわかるけど言葉にできない」人との差はここで顕著になります。
「国語力」と「理科」の深い関係
① 理科の理解は「読解」から始まる
理科の教科書は、実はかなり言葉が抽象的です。
例) 「水が蒸発して水蒸気になり、冷えて水滴になる」
これは“目に見えない現象”を「ことば」で説明しているので、国語力がある子は、文の構造をつかみ、因果関係を理解できますが、国語力が弱い子は、「蒸発」「水蒸気」などの語彙や概念が曖昧で、現象をつなげて理解できません。
② 専門語・抽象語を理解する力
理科には多くの抽象的な概念語が登場します。
例:温度、力、重さ、成長、エネルギー、変化、吸収、反射…
これらを「ことばとして理解」できないと、 実験しても「なぜそうなるか」を説明できません。国語力がある子は、語の定義をつかみ、起きている現象を理解することが出来ます。
③ メタ認知と仮説思考
理科は実験の前に「予想」を立て、結果を見て「考察」します。これは自分の考えを言葉で整理する力です。国語力の高い子は「もし〜なら」「たぶん〜だと思う」「なぜなら〜」といった仮説言語を自在に使えるので、理科の探究的学習が得意になります。
「国語力」と「社会」の深い関係
① 語彙力が“理解の深さ”を決める
社会には独特の抽象語・概念語が多く出てきます。
例):政治・経済・文化・産業・自治・権利・義務・資源・交流…。
これらの言葉を「自分の言葉」で理解していないと、 ただの暗記で終わってしまいます。
例)「明治維新とは、幕府のしくみをこわして、新しい政府を作り、日本を近代的な国に 変えたできごとです。」
→「しくみをこわす」「近代的な国」が何を指すのかあいまいで“何がどう変わったのか”のイメージが湧かない。
②多面的・多角的に考える力
社会は「立場の違い」「地域の違い」を理解する教科です。国語力(特に読解・想像力・共感力)があると、「この人はこう考えた」、「別の立場の 人は違う意見をもつ」 という複数視点での理解が可能となります。これは、国語の「登場人物の気持ちを考える」力と同じ力です。
③比較・要約・説明の力(表現力)
・社会科のレポートや発表では、「自分の調べたことをまとめ、説明する」活動が中心です。国語力が弱いと、調べ学習が「写しただけ」になりやすいですが、国語力がある子は情報を取捨選択でき、要点をまとめて説明できるます。
「国語力」と「英語」の深い関係
① 「ことばの仕組み」を理解する力
国語で「主語・述語」「助詞」「語順」など、 文の“しくみ”を意識できる子は、英語の文法理解も確実に速いです。
英語の「I play soccer.」を理解するには、“主語+動詞+目的語”という構造の感覚が必要ですが、 これは国語でいう構文感覚を身につけている子ほど得意です。
② 語彙の理解力
・英語で新しい単語を覚えるとき、 すでに日本語で“概念”を理解しているかどうかが大きな差になります。
例)environment” → 「環境」という言葉を生活経験と結びつけて知っていれば理解が早い。
つまり、日本語の語彙力が英語の語彙理解につながってきます。
③ 読解力(文脈をつかむ力)
英語の文章読解で必要なのは、実は「言葉を前後の文脈で理解する力」です。これは国語の読解とまったく同じ力になります。
文の中のつながり(因果・対比・指示語など)を読み解く、段落ごとの要点をまとめる。こういうことが得意な子は、英語でも“構造で読む”ことができます。
国語力とSELの関係
ミライユでは、人間性の向上として、SELを育むことに力を入れています。
SEL( Social and Emotional Learning)とは
自分を理解する力
自分の感情や自分の強み ・弱みを理解する力を指しています。 「自分がなぜ怒っているのか」を理解することなどが挙げられます。
他人を理解する力
他人の感情や考え方を理解し、共感する力を指します。友達が悲しんでいる理由を考え、その気持ちに寄り添うことなどが挙げられます。
自分を管理する力
気持ちをコントロールしたり、目標を設定して達成する力を意味しています。 気持ちを抑えて、落ち着いて問題を解決する力などを指します。
人間関係を築く力
効果的なコミュニケーションや、意見の衝突を解決する力を指します。例えば 意見の違いがあったときに、感情的にならず穏やかに話し合う力です。
責任ある意思決定の力
道徳的でなおかつ責任 ある選択をとる力を意味しています。例えば、仲間外れを目にしたときに適切に行動することなどが挙げられます。
社会で活躍するために大事な力ですが、このような5つの力を実現させるのも国語力です。
自分を知り、周りと協調するために「国語力」が非常に大切になります。
ミライユでは、学習効果を高めるため、また成長する心を育てるために、国語教育に力を入れています。

